BOOK こんな感じ 

小さな秘密のソーイングルーム「BOOK」という教室を新宿で開講していました。

現行クラス 「TREND SEWING」 の前身です。

ご自分で製作されるかたも、こんな流れで進めていくのもよろしいですよ。

TREND はここに アイデアシートがプラスされ、バージョンアップしました。

 

 

① 作りたい生地、本、アイテム、サイズを決めます

 

 

アメリカンコットン好きにはたまらないMODA、大好きです。 

 

シーズン毎、バラエティ豊富な柄の中に、 劇的な出会いもあります。

 

オーダーから入荷まで数ヶ月。

 

再入荷の難しさ、希少性にときめきます。

 

とても美しいブルーの生地を手に入れました。

 

夏の日差しにきらめく、ノースリーブワンピースを作りたいと思います。

 

 

こちらの本を使わせて頂きます。

 

中味も世界観があって、素敵!

 

バスト下で切り替えのある

 

黒いノースリーブワンピースを9サイズで作ってみましょう。

 

こちらの本は縫いしろがついていないそうです。

 

本により、縫いしろ込みと縫いしろなしと、様々なのです。

 

BOOK」では本のお持込みと、室内でのお貸し出しがございます。 

 

 

② パターンの用意をしましょう

 

パターンを広げ、その上に製図用紙をのせ、写し取ります。

 

製図用紙はご自分の親しんでいる紙でも構いません。

 

ハトロン紙や製図用紙は全紙サイズやA1サイズ位ある大きな巻紙で

 

様々な手芸洋品店でお取り扱いがあります。

 

個人的には10枚筒の、厚いハトロン紙が好きです。

 

 

パターンの模写は意外と時間がかかります。

 

また「BOOK」は小さなお部屋です。

 

ご自宅で写して、パターンカットまで終わらせてしまうと、作業が早く進みます。

 

心配な方はご相談下さいませ。ご一緒にやってみましょう!

 

 

 

 

③ いざ、写してみましょう

 

写真では、参考に9サイズの見返しの外郭を写しました。

 

沢山の線が走る中の1本を辿るのが難しい方は、

 

9サイズなら9という字全て、蛍光マーカーペンで塗ると分かりやすいです。

 

沢山のパターンを1枚に印刷しています。

 

印をつけてしまうと、他のデザインも写したいのにごちゃごちゃになって嫌だわ・・・

 

という方には、貼って剥がせて文字が透けて見えるような薄いマスキングテープなどで、

 

全箇所ではなくとも、9の字の上を要所、貼っても良いかもしれません。

 

全体を捉えやすいのです。

 

本に載っている裁断図を見て、パーツ数を数えると良いでしょう。

 

このワンピースは7パーツでした。

 

写した後に、後ろ襟ぐり見返しだけ写しそびれていた・・・なんて事があります。

 

パーツ数があっているか確認すると、取り漏れがありません。

 

 

お手持ちのもので構いませんが、文鎮2~3個(なければビンなど、何か重さのあるものを)

 

30cmと50cmの方眼尺と、カーブ尺、 シャーペンがあるとよろしいです。

 

お好みですが、なるべく細い(0.3~0.4ミリ)で

 

硬い芯のシャーペンがあると、尚、よろしいです。

 

 

縫いしろ1cmをつけました。

 

縫いしろは、たいがい、直線ミシンは1cm、ロックミシンは7mmでつけます。

 

ロック裁ち落としの縫いしろは0.3mmでつけますが

 

このワンピースはノースリーブですので、見返しのロックしろ0.3mmはつけませんでした。

 

地の目、パーツ名、サイズ、品名も書きましょう。

 

もしデザインをアレンジした場合は、パターンチェックしましょう。

 

寸法が合わない部分があったりしますので安心です。 

 

 

全てのパーツを写し取り、カッターか、難しければハサミでパターンカットします。

 

 

④ 芯貼り 裁断に入ります

 

生地により必要なら地直しをします。

 

水通しをして干すと、乾いた時、著しく生地が老け込み、すたれてしまう物も多いです。

 

若い頃は勢い、洗濯機で脱水をかけてしまったりして、シワだらけのヒガヒガになった可哀相な生地を

 

もう元に戻すことはできず、新品なのにユーズド感たっぷりになってしまう経験もありました。

 

 

よっぽど縮みがちなウールなどは、スチームアイロンの蒸気を当てて、

 

繊維をふかふかと戻してやると、地の目が整い、扱いやすいですが、

 

今は即、地直しにこだわらずに美しさを保ったまま作りたい気持ちになります。

 

着用すれば古びていくのは仕方ない事ですが、初めてのお洗濯ではネットに入れ、

 

弱水流でおしゃれ着洗いをされますと、急な縮みやすたれが避けられると思います。

 

そして何度目かのお洗濯で普通洗いにしていくと、ゆっくりと味が出て、軟着陸できるようです。

 

 

 

芯を貼る時は大きめに生地を切り、芯をアイロン接着してしまってから裁断します。

 

生地によっては高温のアイロンで縮むものもあります。

 

縮んだ状態で芯の接着剤が溶けて形を変え、そのまま固めてしまうのです。

 

だから先に貼ったものを裁断しましょう。

 

そのままかけると接着剤が高温で溶け、アイロンにべったり付いてしまいます。

 

ハトロン紙などを、特にツルツルの面を芯側に向けて載せた上から、

 

アイロンを1箇所に6~10秒位当て、空気が入らないよう、決して左右によじらしたり、

 

のしたりすることなく、スッ、スッ、と一方方向に進みます。

 

途中で糊が紙にくっついていきますが、剥がしつつ、進みます。 

 

生地の焦がしやあたりに気をつけて、アイロンネットを上に載せてかけるのもよろしいですし、

 

色々縫っていくと心配な生地が分かるようになりますので、その場合は先にアイロン試験をして下さい。

 

写真はまだ貼っていないのを見て頂きたくて、マチ針でめくっています。

 

 

 

裁断の型入れをします。

 

裁断図に基いて型入れしてもよろしいです。生地幅により条件が変わります。

 

裁断したら合印(ノッチ)を2~3mmいれます。

 

ロックは7mmなので2~3mmなら中に縫い込めてしまいます。

 

裁断が終わったら、100円SHOPのクリアファイルに収納するのがおススメです。

 

ハギレ(スワッチ)と芯、芯を生地に貼った芯見本や(私は品番も控えて書いておきます)

 

写真や絵型のイラストなども入れておくとすぐにわかります。

⑤ 本縫いに入ります

 

いよいよ本縫いですが、どうぞ本の縫製指示通りに進めて下さい。

 

作り手の方の愛の結晶である、細かい縫製指示を明かすのは

 

ここでは差し控えさせて頂きたいと思います。

 

とても素敵なデザインが沢山載っていておススメです。

 

是非この機会に書店までGOです!

 

 

縫いに関して少しだけご提案させて頂くところはロック始末のことでしょうか。

 

ロックミシンをかけたあと、空環(からかん)をなるべく長いまま

 

取っておかれる習慣をつけられると宜しいです。糸はあとからどうにでも切る事ができます。

  

ロックの糸端は、あとからお洗濯でほつれて、見苦しくなってしまう事もあります。

 

空環を縫い手順の中で、必要に応じて結んで入れ込んだり、

 

とじ針でしまうなどされると、仕上がりがワンステップあがります。

 

どのタイミングで糸始末をするかなど、クラスにお越し頂ければご提案させて頂けます。

 

そのような、様々なパーツの、ちょっとしたひと手間が

 

商品の顔を決めるポイントになっていきます。

 

教科書に書ききれない小さなワンポイントを沢山集めた集合体がお洋服なのです。

 

それはデザイン、生地、素材が変われば全て配合が変わってしまう、

 

終わりなき追求の楽しみがある世界です。

 

ご参考に見返し部分のロック始末の写真を掲載いたします。

 

 

 

ブルーの MODA ワンピース 完成しました

 

 

かわいい生地に出会うと、その癒しのパワーに幾度も驚かされます。

 

購入してきて、部屋にその生地があるだけで、その周りが燦然と輝く程です。

 

季節、気候、予定している約束や大切な用事、お相手への関係や想い、今の自分の心境・・・。

 

沢山の条件がひとつの生地に掛け算されて、さらにそこからデザインが浮かんで形になるまでに、

 

何倍にも何倍にも素敵に輝いていきます。

 

デザインを考えている時、縫いながら立体になっていく時、

 

無意識に「かわいい」「かわいい」と惚れぼれ呟いている事があるのです。

 

これほどのパワーが掛け合わされたお洋服を着て、魔法にかからないわけがありません!

 

ブルーの MODA ワンピース は雨の日に完成しました。

 

とっても好きな柄なので、大切に着たいです。

 

 

次回の BOOK こんな感じ 

 

次回の BOOK こんな感じ ではこちらの本を使わせて頂きます。

 

ソーイング本の世界はどんどん進化していて、

 

感激な本が日々出版されているのですね。

 

生地は柔らかさのある薄手のコットンプリントです。

 

本来の地の目はストライプに柄が出ますが、

 

ボーダーに使っても可愛らしいですよ。

 

自由に気楽にやるのがオリジナルの醍醐味ですね。

 

これからの連載は、サクサク楽しくゆきます。

 

どうぞお楽しみに!

 

 

エスニックボーダー生地で チュニック と プルオーバーを作ります

 

表紙を飾る素敵なワンピースをチュニック丈にしたデザインも載っています。

カラフル太ボーダーは意外と柄にパンチがありました。

チュニックとプルオーバーを作りたいと思います。

 

 

パターンを写して、裁断しました。

太ボーダーは柄合わせが必要になります。

 

柄合わせの基準は生地の柄構成や、感覚的なところもあり、

一概には語れませんが、柄の大きさと配置が絡んでくると思います。

柄が大きくなる程、着装した時に悪目立ちせず、まとまるように構成したいものです。

小さな柄ほど、あまり考えなくても良くなります。

 

プリント生地などのリピートパターンは、

身体のどの部位にどのように柄が繰り返すのかも加味したいです。

そうなると、次のリピートまでザックリと生地を捨てて裁断しなければならない、

なんて場合もありますので、取り都合を考えて、妥協案に落とし込む事も必要です。

 

柄合わせで迷った時は、 人の視線がバストアップにいきやすいことから

まず胸元の横段を合わせる事を優先して考えたいです。

私は前身頃と後ろ身頃の、アームホールのカマ底を、色や柄で、合わせて決めてしまい、

それから、全体のパーツに波及させていくような取り方が好きです。

 

この生地ではストライプかボーダーになるので、

シマが均等に入るように構成したくらいで、さほどのものではございませんでした。

 

 

 

① チュニック 裁断 と 柄合わせ

 

本来ストライプに柄が出る生地です。

ボーダーで作りたかったので、地の目は横地で取りました。

縦の地の目線が入っているのは、このパターンを後々も使おうとしているからです。(ごめんなさい)

アップで文字の写真に(柄は⇔)と柄指示方向を記しています。

ご自分で分かるように書いて頂ければ宜しいと思います。

 

パターンを上に裁断した写真と、裁断生地を裏返した写真と撮りました。

取り都合上、裾と胸元の天地に半分ずつくらい、柄が出るように裁断しました。

袖はストライプに柄を出しています。

 

背中にリボン紐が付きます。

パターンの指示ではなく、生地の中で、

気に入った部分のストライプの幅で裁ってみました。

柄に合わせて臨機応変に変えていきましょう。

 

 

② プルオーバー 裁断と 柄合わせ

 

プルオーバーは袖と裾をギャザー寄せして、ぐるりで裾布がつきます。

こんな柄・・・とめくって文鎮でとめております。

袖は折って、柄は半分出ます。

カフスと裾布はちょうど合うような太さの柄を探して、均等に入れました。

シマの出方は裾部分メインにボーダーを配し、肩はなりゆきで切れるように裁断しました。

どっちをとるかという箇所もあります。

 

基本1cmの縫いしろがつく中、襟ぐりだけは0.5cmの縫いしろ指示でした。

襟ぐりを共布をバイアス裁ちしてバインダする仕様でしたが、

バイアスは生地のロスも大きいですし、

この生地はとても薄いので、バイアステープにしてくるむと、表から響いてきそうなので、

市販のバイアステープを代用しようと思います。

 

微妙な可愛さの、使い道が見つからないコットンなどは、

常備用のバイアステープを作っておくのもアイデアです。

市販でリバティ生地のバイアステープが売っているのを見かけます。

とても可愛いので、欲しくなります。

シンプルなアイテムに、ちょこっと使うだけでも大変可愛くなりますよ。

 

次回は下ごしらえの後、本縫いです!

 

エスニック生地のカラフルチュニック 完成しました!

 

カラフルチュニック完成しました!

たまには柄目を変えてみるのも楽しいものです。

下ごしらえは特に必要なく、ドライブ感を楽しんでいるうち縫えました。

山場は袖口のスリットでしょうか。

脇の縫いしろと袖の三つ折が合流した上を

綺麗にステッチで叩くところは、なかなか、縫製魂が燃えました。

 

雨のシーズン、こちらの本に載っているレインポンチョもおススメです!

プルオーバーも完成です!

 

プルオーバーも仕上がりました。

裾布を水色のひと柄出るように構成したので、左脇で結ぶリボンは割愛しました。

デザインエッセンスはギャザーのレッスンと言えるでしょうか。

ギャザーの寄せ方は、直線ミシン、ロックミシン、幾つかの違ったやり方がありますので

スクールではそんなノウハウもお話したいです。

襟ぐりをバインダしているバイアステープの美しいつなぎ方なども、

ちょっとパズルのような面白いシーンだと思います。

 

「どこから縫い始めるのですか?」

と聞かれる独学の生徒さんがとても多いです。

「こんなデザインの場合ここから縫い始めて、このように終わると宜しいですよ」とご案内したり、

縫い終わりの糸は表裏どちらから切るのが綺麗か、などなど。

 

ソーイング本には、表現されていない行間が沢山ございます。

生地やデザインが変わっていくという前提の、伝えきれないもの。

作り手の経験を本という形で分けて頂く付加価値。

それは全て書きなぐってしまうには惜しまれる、大切な、深い行間なのです。

その行間をBOOKでお伝えしたいなと思う今日この頃です。