著名な先生にリクチュール塾へお誘い頂き、
光栄にも参加して参りました!
久しぶりのわが母校、文化服装学院です。
けれど会場は真っ暗・・。
慌てて迷っていると、ある教室に
1年生の時の担任の先生を、そして研究室に入っていく、
卒業年度担任の先生のお姿をお見かけし、
思わず追いかけてしまいました!
「○○年前に先生のクラスで卒業しました!」
と名刺を差し上げると、私の名前を思い出して下さり、
お話をする事ができました。
先生方、その節は本当にありがとうございました。
○○先生、お変わりなく美しくて嬉しかったです。
さて、実は私もお直し業をしていたことがあります。
洋服を作るには生地を裁断して、縫って・・・と
1から10の工程まで順当に進んで洋服に仕立てますが、
お直しは10から4くらいまで巻き戻してから、
加工します。
完成品10のみで終わらず、13とか15にまで
ご要望のスタイルにバージョンアップしてお渡しする。
思い出や、ご愛着というお客様の想いを一緒に
お預かりします。
だから既製服よりお客様に近しいところでやりとりをするものだと思います。
製品はひとつしかなく、一発勝負。
生地残はないので試し縫いもできないし、中をほどいてみて初めてわかることも多い。
なかなかスキルを必要とします。
実際、縫製の現場は掛け持ち仕事で、一人ですべてをこなさなければならない、少人数制。
動きの無駄を削ぎ、早く、正確に、技術の安定供給をしなければならない。
生産性を上げる一つ「ほどき」の早さが重要になってきます。
ですから生地を裂かないように気をつけながら、カッターの刃先でバリバリと糸だけを裂くのです。
納期に追われていつも歯を食いしばって縫っている事が多かったけれど、
ひとつ思い出深いのは、既製服の素晴らしさを再実感した事でした。
作りやすく、直しやすく設計されているところ。
オーダー至上!吊るしなんて・・・といわれることもございます。
私もオーダーには馴染みがなくて、憧れだけがありました。
きっと、砂糖菓子のように手厚く手がけられたもの?
でも商品をほどいてみたら、仕様はそれこそ作り手により様々で、正直、閉口させられる事は沢山ありました。
縫いしろが全然なくて、引っ張ってごまかして縫い上げてしまっているものとか・・・。
紳士のオーダーもののウエスト詰めで、マーベルトがない時代なのか、手作りの腰布をあけてみたら、
表地の色とは全く見当違いな色糸で、太さはバッグを縫う時に使う位の太い糸で、みっちりぎっしりまつり縫いしてある!
これではカッターも危なくて通用しない!
お客様の来店お約束時間前ギリギリになっても、泣きながらほどいているなんてこともありました。
そんな体験をすると、既製服のありがたみがよく分かります。
プルプルほどける環縫いなどには、胸がすくような思いがしたものでした。
そして、そうか、洋服っていいなーと、にんまりしたものです。
裂いてほどくと沢山の粉塵やアレルゲンが舞います。
私の体には合わなかったようで、残念ながらひどい喘息を発症してしまい、やがては退職することとなりました。
当時は怒涛のような毎日に一生懸命でしたが、
私を学ばせてくれたお直しというものに再び触れ、不思議な気持ちがおきています。
リクチュール塾では半年講義を傾聴の上、各人がリメイク作品を提出し、卒業展には展示会に出展するそうです。
私も万感の思いを込めつつ、自分らしくリクチュールしてみようかな、と思案中です。
毎回、ファッション界の重鎮の方々のお話が無料で間近に学べる環境です。
ご興味のある方は是非、チェックしてみて下さいね!
Atelier Sabo
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